頼る経験、頼られる経験〜星組・5年生交流〜

 




頼る経験、頼られる経験

~星組・5年生交流~

毎年、この時期に鶴幼・星組と鶴小・5年生の交流が行われます。

今年も交流が鶴小で行われました。

はじめの会、体育館で星組の子どもと5年生の子どもが出会う場です。

先生に呼ばれて双方が出会う場面は、どちらも緊張して硬い表情です。

“はじめまして”なので無理もありません。

でもこの緊張した表情も“いいなあ”と思ってしまいます。

これからこの顔がどんなふうに変化してくのか楽しみでもあります。





交流は前半1組が遊びのコーナー、2組は教室で絵本を読み聞かせをしてもらいます。

後半は1組が読み聞かせ、2組が遊びのコーナーで遊びます。

5年生の子ども達は、この日のためにどんな遊びのコーナーにしようか、どんな絵本を読

もうか、準備してこの日を迎えます。

折り紙を作ったり、かんつみを一緒にやってあげたり、ボーリングのピンを並べて倒した

り、スーパーボールすくいをいっしょにやったり、まとあてでボール投げをする星組と5

年生の子どもたち。




絵本を星組の子に見せるため体をよじって読み聞かせをする5年生、身をゆだねて聞き入

る星組の子どもたち。




時間が経つにつれて子ども同士、だんだん表情がやわらかくなっていきました。

「担当の〇〇ちゃんに、けられたんだよ」と不満を言ってくる5年生。

「けられるのは嫌だったね。でも心を許せない相手だったら、そんなことをしないから、

それだけ仲良くなったってことかもしれないね」というと、その子は「えーっ」と言いな

がら、ちょっと恥ずかしそうに笑っていました。

最後の会では、たくさんの星組の子が感想を言ってくれました。「まとあてやって、楽し

かった」「ボーリングが楽しかった」…

幼稚園の中で星組の子ども達は、常に一番上の年長さんです。

年小の花組、年中の月組の子どもたちのお手本とされ、お世話をしてあげることを求めら

れる場面が多く、頼られる存在です。

でもこの日ばかりは5年生のお兄ちゃん・お姉ちゃんに思いきり甘えて頼ることができる

立場でした。

逆に5年生、幼稚園の子ども達から頼られる経験は、どの子にとっても貴重です。

自分が頼りにされ、役割がある、そのことで“自分ってまんざらでもないな”と思えるのだ

と思います。

星組の女の子が心細くなって泣いていました。

5年生の担当は男の子2人、S君・R君。

色鉛筆で絵を描いたり、折り紙を折ってあげたり、絵本を読んであげたり、やさしく声を

かけて励ましていました。

それでもなかなか気持ちが切り替わらず泣いているRちゃん。

どうしたらいいか戸惑う中、担任の先生に助けを求めていました。

こんなこともなかなかできない貴重な経験です。

「また会おうね、待っているよ」「ばいばい」…別れ際の子どもたちは、はじめの緊張し

た面持ちとは別人のようでした。

短い時間でしたが、遊びや読み聞かせ、いっしょに楽しむ経験をすることで子ども同士は

すぐに打ち解けることができる、そして次の機会を楽しみにできることが、いいなあと微

笑ましく見ることができました。

次の交流は6月の“箱作り”それまでに鶴小の運動会もあります。

次に会った時は、きっとお互いの名前を呼び合うことからスタートできるのでしょう。


異年齢での交流は近くに幼小があるからこそ行うことができる貴重な経験です。

2回目の交流会も子ども達がどんな姿を見せてくれるのか楽しみです。

和光鶴川幼稚園・小学校 校園長 大野裕一

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